昨日は、30度を超える暑い日だった。
HANAをビニルプールに入れてやろうと
娘にメールを送った。
先週は、
「土日しか家の用事ができないから、毎週連れて帰れない」
「余裕のある時に帰る」
とつれない返事だった。
今度は、「おむかえつき」とつけ加えておいた。
返信のかわりに電話がかかってきた。
友だちと遊びに行きたいから、
HANAを預けても良いかという。
すでにお昼寝の時刻を超えている。
連れてきたら3時を過ぎる。
先週の返事を思い出しながら、
勝手やな~と少し気が悪かったが、
でも、HANAには関係ない。
水着を着た上にかわいい水玉のベアルックを着て、
娘と手をつないで車にやってきた。
晴れやかな笑顔だ。
HANAはプールと聞いて
「やった~」
と言っていたらしい。
娘に促されてバイバイする。
車に乗せ、角を曲がったら、
「MIYO(娘の名)は?」
と聞いた。
「MIYOはお出かけ。HANAは、プール入って、
お昼寝して、ご飯食べて、お風呂はいってたら
MIYOがお迎えに来るよ」
と答えた。
陽が傾き、プールは日陰の中にあった。
ガレージの前にプールを広げるため、
HANAが来てから水を入れることになった。
冷たくはないが、
ちょっと身体が冷えるかもしれなかった。
あれもこれもと遊び道具を水に浮かべ、
遊んでいたら、近所のお姉ちゃんが来た。
お出かけから車で帰ってきた
HANAが好きなお姉ちゃんは、
「HANAちゃんや!」
と言って、通り過ぎようとする車を止めさせ、
降りてきた。
HANAも裸足でプールを出て走っていく。
隣の3きょうだいもやってきて、
家の前はたちまち子どもの声がこだまする。
キャンプ用の折りたたみ椅子にすわって、
私はそれを眺めていた。
心地よい時間が流れて、
HANAがご希望の「パパジュース」(スポーツ飲料)を
買いに行くのをきっかけに、
みんなとバイバイした。
着がえたら、家の前で隣のお姉ちゃんが
お父さんとバドミントンをしていた。
「お姉ちゃん、見る」
というHANAとまた家の前へ
遊んでいるんだか、邪魔してるんだか、
一人っ子のHANAには
お姉ちゃん達といっしょにいるのが
楽しくてしょうがない。
プールを片付け終わったのを機に
買い物に出かけた。
HANAはすんなりとお姉ちゃん達に
バイバイした。
バギーの上でHANAは
「MIYOは?」
とまた聞いた。
HANAは買い物の最後に
おやつを買ってもらうのを楽しみにしていた。
いつも一緒に買い物するときのきまりごとだった。
HANAはあれもこれも買うことはしない。
娘との約束で、一つと決めてあるのだ。
HANAは一つとっては
「これにする」
といい、
私が
「それはMIYOがあかんていうと思うで」
というとまた物色する。
3つを迷ったあげく、つぶチョコに決めた。
HANAは、もう、店を出るまでに食べたいとは言わない。
店を出て、帰り道、私が声をかけるまで、
しっかりと箱をにぎったままだった。
いつのまにか成長したんだなと思いつつ、
吃音のことを思い出す。
ものわかりの良さは大人にとって都合が良い。
わがまま言って泣いていた時のHANAが思い出された。
これって成長?これでいいのか?
家に帰ると、もう誰もいなかった。
「おねえちゃんは?」
「もうご飯やからみんな帰ったよ」
「MIYOは?」
私は、もう一度説明をして、
HANAと2人で晩ご飯の支度をした。
ハムやきゅうりや錦糸卵を一緒に包丁で刻むと、
「ちょっとだけ食べていい?」
「ちょっとだけね」
「な~な~、また食べていい?」
「うん、ちょっとだけね」
というやりとりをかれこれ10回は繰り返した。
結局、できあがったけれども、
HANAは半分も食べず、
息子の納豆をつまみ食いしていた。
風呂に入り、お目当てのブドウも食べ、
上手にはみがきをして・・・
HANAはとつぜん、
「TAKERUくん好き?」
と聞いてきた。
「誰?」
「TAKERUくん好き?」
TAKERUくんは、今日、MIYOが一緒に過ごしている相手だ。
「MIYOは?」
「もうじき帰ってくるよ。」
そう言ったとき、メールが入った。
まだあと1時間だという。
上の部屋のベッドには行かないという。
HANAは家に帰るつもりだ。
だから、寝ないでMIYOを待つ。
マットをひいてやって、
「ごろんしてごらん」
といっても、
「おっちんしとく」
と言って・・・それでも絵本の終わり頃には
横になって、目をこすっていた。
ちょうどそのとき、玄関チャイムが鳴った。
娘も帰るつもりらしく、上がってこない。
急いで帰り支度して、下に降りる。
HANAはねまきのじんべ姿。
娘は、明日りんくうへ行くから、
車のチャイルドシートを貸してという。
バイバイとハイタッチして、
HANAは二度振り返って手を振った。
私は、明日の(友だちとの)お出かけが気になった。
今日は一度も吃音を聞いていない。
そのかわり、「MIYOは?」が繰り返された。
お泊まりもしないといった。
メールで娘とやりとりしたら、
その(友だち)はバイトつながりで、
家が近くて、何度か家に遊びに来ていて、
HANAはよくなつき、甘えてわがままいったりしているらしい。
だけど、・・・と私は主張した。
今日、何度「MIYOは?」と聞いただろう。
HANAは、なんだかわからないけれど不安を抱えている。
HANAが甘えてわがままいいたいのは、母親やで。
おでかけしないで、ゆったりとした時間が持てないか?
「もう決めたことやから行く・・・・無理はさせんとこうと思う・・」
それが返事だった。
朝になって、娘からメールが入った。
昼の2時にシートを借りに来るという。
昼寝時に高速に乗っても1時間かかる遠出をして、
遊んで帰ってきたら、帰りは何時だろう。
明日は保育園というのに。
私は、
せめて市内にならないか。
市民プール(自転車で行ける)はどうか。
今がHANAにとって大事な時期。
機を逃せば吃音が定着してしまう。
決めたことでも、相手は考え直してくれないのかなぁ。
・・・とすっかり口うるさい親父となっていた。
昼前、行くのやめたとメールがきた。
それでも、友だちは家に来るらしかった。
HANAと一緒に食べるために買っていた
ブドウの残り、すいか、粒チョコ、ジュース、なぜかウィンナ
を届けに自転車で向かった。
HANAはうれしそうに出迎えてくれた。
玄関に三輪車が出ていた。
母子で散歩に行ってきたという。
あがることなく、玄関先でHANAとハイタッチして
帰ってきた。
汗が噴き出ていた。
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