半日とはいえ
保育園の運動会は晴天に恵まれ
狭い園庭に保護者がすし詰め
ほとんど立ちっぱなしで少々疲れた
HANAはまぶしいほどにその成長ぶりを見せた
「ぜっっったい、一番になるからな!」
と気負い込んだかけっこでは
フライングをおかしつつも公約jをはたした
午後はうちの前で暗くなるまでお姉ちゃんたちと遊び
MIYOと彼と街灯のあかりの下で手を振って
帰っていった
そんなことを思い出しながら
気だるい朝を迎え
洗濯も干し終わり
パソコンを起動したときだった
携帯が鳴った
表示窓にはMIYOの名前
急いで出ると
「あのな、くまの携帯の電池がな、切れたから買いに行って。
MIYOはそうじしたからしんどいねん。」
最近こうしてHANAが電話してくる
もちろんMIYOがかけるのだが
HANAが電話しろといって
勝手にMIYOのかばんから出してくるらしい
団地の自治会の共同清掃の日で
MIYOは臨月でしんどいからと
休むはずだったが・・・
MIYOにかわってもらうと
なぜか1才の時に買ったおもちゃの携帯を
HANAが引っ張り出してきたという
電池がとうに切れていて鳴らないものだから
入れ替えをMIYOに頼んだらしい
MIYOが家事をしながら
あとでとか昼からとか
今はしんどいからとかいうと
「パパと行くから電話して」
ということだったらしい
苦笑いしながら
とりあえず団地の近所のコンビニに連れて行ってやる
と約束して電話を切った
おもちゃのイヤリングにガチャガチャで買った指輪
この間買ってやった500円のプリキュアの腕時計
エルモのバッグには小物が3、4点
これで顔にぬってたら立派にヤンキーやなといいながら
小さな手を引いてコンビニへお散歩デート
残念ながらお目当ての電池はなく
ジュースを買わされて帰った
休みの日
MIYOが忙しく家事をしていたりすると
HANAは
「さみしいねん」
というらしい
出産後が思いやられる
朝の支度も夕方のお迎えも
私は力になれない
7時には電車の中だし
帰り着いたら8時
MIYOがHANAの写真を
Wiiのスライドショーで見せてくれた
ついこの間までいた
文化住宅でとった写真もあった
「もう次の人が入ったのかな・・・見に行ってみよか」
HANAの顔がぱっと輝く
「そーっと見にいこか」
HANAはそういってサンダルをはく
おさんぽ第二弾に心が弾んでいる
きれいに掃かれた玄関
ママチャリが一台
見上げるとベランダに洗濯物
おもえばもう三か月目
次の住人の生活の色に
なつかしい思い出は塗り消されていた
今度はHANAが提案
「お散歩いこか!」
いつも玄関を出て右に行くと通りに出て
そしてまた右にまっすぐ行く・・・
そこにグランド・テニスコートがあり
横の公園にはスプリングのシーソーがある
階段をおりると大和川の堤
二歳の誕生日当日
MIYOに買ってもらった三輪車で
その公園に行き
シーソーをし
河原まで私が抱っこをしておりた
それ以来何度か散歩コースになった
歩いて二、三分の距離に引越しただけだが
久しく行っていなかったらしい
同じコースをたどり
シーソーをし
堤におりた
先日の台風接近の影響で
増水したらしく
泥だらけだったが
バッタを見つけ
トンボを見つけ
蝶を見つけ
すすきを折り
ねこじゃらしをおみやげにと摘んだ
帰り道、公園の隅でヌスビトハギを見つけ
HANAに教えてやった
二人で服にくっつけてすすきをふりふり
帰っていった
団地の下まできたとき
HANAが
「今日は楽しかった」
と言った
今日はというほどの時間でもないのに
MIYOたち三人の子どもをつれて
よく大和川の堤防に行った
土手すべりしたり
イノコヅチやヌスビトハギをいっぱいつけて
夕方暗くなるころに家に帰ると
みんなして玄関でしかられた
遠い日の記憶と
HANAとのなんでもない時間が
切ないほどにいとおしかった
秋の日差しのせいかもしれない
さっき届いた村冶佳織のCDを聴きながら
ブログを綴る私の横で
猫のガーゴがいびきをかきだした
HANAはとっくに夢の中だろう
本家「トミーの部屋」にもどる
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